○井手町情報公開条例

平成14年9月27日

条例第19号

町が保有する情報は、住民と町との共有財産であるとの認識に基づき、住民によって広くかつ適正に活用され、住民生活の向上に役立てられるべきものである。

また、町が保有する情報を公開することは、住民の町政への信頼に基づくより積極的な町政への参加を促し、豊かな地域社会の形成を図る上で、基礎的な条件である。

このような精神の下に、個人のプライバシーの保護に最大限の配慮をしつつ、住民が公文書の開示を請求する権利を明らかにすることによって、国民主権の理念にのっとった「知る権利」の具体化を図るとともに、住民の町政に対する理解と信頼を深め、町政のより公正で透明な運営を確保し、本町の諸活動を説明する責務が全うされるよう、住民の積極的な参加による開かれた町政の推進に資するため、この条例を制定する。

(定義)

第1条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 実施機関 町長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、公平委員会、農業委員会、固定資産評価審査委員会、水道事業管理者及び議会をいう。

(2) 公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図面、地図、写真(これらを撮影したマイクロフィルムを含む。)及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。

(実施機関の責務)

第2条 実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たっては、公文書の開示を請求するものの権利を十分に尊重するとともに、個人に関する情報の保護について最大限の配慮をしなければならない。

2 実施機関は、公文書の適正な作成及び保存を図るとともに、公文書の管理体制を確立し、適切に管理しなければならない。

3 実施機関は、公文書の開示と併せて公文書の開示を請求するものが必要とする情報を迅速かつ的確に提供するように努めなければならない。

(利用者の責務)

第3条 この条例の定めるところにより公文書の開示を請求するものは、公共の利益及び他人の正当な利益への侵害を目的として公文書の開示を求めてはならない。

2 この条例の定めるところにより公文書の開示を受けたものは、それによって得た情報をこの条例の目的に即して適正に使用しなければならない。

(請求権者)

第4条 何人も、実施機関に対し、当該実施機関が保有する公文書の開示を請求することができる。

(請求の方法)

第5条 前条の規定により公文書の開示を請求しようとするものは、次の各号に掲げる事項を記載した請求書(以下「開示請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所又は事務所若しくは事業所の所在地並びに法人その他の団体にあっては、その代表者の氏名

(2) 公文書の名称その他開示の請求に係る公文書を特定するに足りる事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項

2 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をしたもの(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供しなければならない。

(実施機関の開示義務)

第6条 実施機関は、開示請求に係る公文書については、次条の開示しないことができる情報に該当する場合を除き、開示しなければならない。

(開示しないことができる情報)

第7条 実施機関は、開示請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報(以下「不開示情報」という。)が記録されている場合は、開示しないことができる。

(1) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項をいう。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報

 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報

 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等の役員及び職員、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員並びに地方独立行政法人の役員及び職員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分

(2) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、開示することにより、当該法人等又は当該事業を営む個人の競争その他事業活動上の正当な利益を明らかに害すると認められるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 人の生命、身体又は健康を当該法人等又は当該事業を営む個人の事業活動によって生ずる危害から保護するため、開示することが必要と認められる情報

 人の生活又は財産を当該法人等又は当該事業を営む個人の違法又は著しく不当な事業活動によって生ずる支障から保護するため、開示することが必要と認められる情報

 又はに準ずる情報であって、開示することが公益上必要と認められる情報

(3) 本町と国等との間における協議、依頼、委託、照会等により行う事務に関して実施機関が保有する情報であって、開示することにより、本町と国等との協力関係又は信頼関係を著しく損なうと認められるもの。

(4) 開示することにより、人の生命、身体、財産等の保護又は犯罪の予防、犯罪の捜査その他住民生活の安全に支障が生ずるおそれのあるもの。

(5) 実施機関の内部、実施機関相互の間又は本町と国等との間における検討、審議、協議、調査、研究等の意思形成過程に関わる情報であって、開示することにより、公正な意思形成に著しい支障が生ずるおそれのあるもの。

(6) 実施機関が行う許可、認可、試験、交渉、入札、人事、争訟その他の事務事業に関する情報であって、開示することにより、それらの事務事業の公正かつ適正な執行を著しく妨げるおそれのあるもの。

(7) 法令又は条例の定めるところにより、若しくは国等の指示により、開示することができないと認められるもの。

(8) 実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供された情報であって、個人又は法人等における通例として公にしないこととされるものその他当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの。ただし、開示による利益がこの号の規定により保護する利益に優先する情報は除くものとする。

(時限的不開示)

第8条 実施機関は、前条各号のいずれかに該当する情報であっても、期間の経過により、同条各号のいずれにも該当しなくなったときは、開示の請求に応じなければならない。

(部分開示)

第9条 実施機関は、開示請求に係る公文書の一部に不開示情報が含まれている場合において、当該不開示情報が記録されている部分を容易に、かつ、開示請求の趣旨を損なわない程度に区分することができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いて公文書を開示しなければならない。

(公文書の存否に関する情報)

第10条 開示請求に対し、当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。

(開示決定等の期限等)

第11条 実施機関は、第5条の規定による請求があったときは、当該請求があった日の翌日から起算して14日以内に、開示請求に係る公文書の開示に対する可否についての決定をしなければならない。

2 実施機関は、前項に規定する決定をしたときは、開示請求者に対し、当該決定の内容を速やかに書面により通知しなければならない。

3 実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由により、第1項に規定する期間内に同項に規定する決定をすることができないときは、当該請求があった日の翌日から起算して60日を限度として、その期間を延長することができる。この場合において、実施機関は、速やかに延長後の期間及び延長の理由を開示請求者に対し、書面により通知しなければならない。

4 第1項に規定する期間(前項の規定により延長された場合にあっては、延長後の期間)内に、実施機関が第1項に規定する決定をしないときは、開示請求者は、公文書を開示しない旨の決定があったものとみなすことができる。

5 第2項に規定する書面には、開示の請求に係る公文書の全部又は一部を開示しない旨の決定をするときは、当該決定の理由を付記しなければならない。この場合において、一定の期間の経過により、開示の請求に係る公文書が第7条各号に規定する情報に該当しなくなる期日をあらかじめ明示することができるときは、併せてその該当しなくなる期日を付記しなければならない。

(開示決定等の期限の特例)

第12条 開示請求に係る公文書が著しく大量である場合、又は突発的な要因により相当の期間、事務処理が困難な場合において、当該請求のあった日の翌日から起算して60日以内にそのすべてについて開示決定等をすることができないときは、前条の規定にかかわらず、実施機関は、開示請求に係る公文書の相当の部分につき当該期間内に開示決定等をし、残りの公文書については相当の期間内に開示決定等をすることができる。この場合において、実施機関は、同条第1項に規定する期間内に、開示請求者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。

(1) 本条を適用する旨及びその理由

(2) 残りの公文書について開示決定等をする期限

(第三者情報の開示等)

第13条 実施機関は、第11条第1項に規定する決定をしようとする場合において、当該決定に係る公文書に第三者に関する情報が含まれているときは、あらかじめ当該第三者の意見を聴くことができる。

(開示の実施)

第14条 公文書の開示は、実施機関が公文書を閲覧に供し、又はその写しを交付する方法(電磁的記録にあっては、それぞれこれらに準ずる方法として、その種別、情報化の進展状況等を考慮して実施機関が定める方法。以下同じ。)により行う。

2 実施機関は、公文書を開示することにより公文書の散逸、損傷又は汚損のおそれがあるとき、第9条の規定により公文書を開示するときその他相当の理由があるときは、当該公文書を複写し、若しくは複製したものを閲覧に供し、又はその写しを交付することができる。

(費用負担)

第15条 この条例の規定による公文書の閲覧に係る手数料は、無料とする。

2 この条例の規定による公文書の写しの交付を受けるものは、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。

3 前項に規定する費用は、請求又は交付の際に徴収する。

(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)

第15条の2 第11条第1項の規定による決定(同条第4項の規定により決定があったものとみなされた場合を含む。次条第1項において同じ。)又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。

(審査会への諮問)

第16条 第11条第1項の規定による決定又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、遅滞なく、井手町情報公開審査会に諮問しなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合

(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を開示することとする場合(第三者から当該公文書の開示について反対の意思を表示した意見書(以下「反対意見書」という。)が提出されている場合を除く。)

2 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。

3 実施機関は、第1項の諮問に対する答申を受けたときは、これを尊重し、速やかに、当該審査請求に対する裁決をしなければならない。

4 第1項の規定により諮問をした実施機関は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。

(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)

(2) 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(3) 当該審査請求に係る公文書の開示について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(井手町情報公開審査会)

第17条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、町長の附属機関として、井手町情報公開審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会は、前条第1項の規定による諮問があった日から起算して90日以内に答申するように努めなければならない。

3 審査会は、委員5人以内をもって組織する。

4 委員は、学識経験を有するもののうちから町長が委嘱する。

5 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

7 前各項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、町長が別に定める。

(他の制度との調整)

第18条 この条例は、法令等の規定に基づいて閲覧し、若しくは縦覧し、又は謄本、抄本の交付を受けることができる公文書については、適用しない。

2 この条例は、図書館等の施設において住民等の利用に供することを目的として管理している公文書については、適用しない。

(出資法人に対する協力要請)

第19条 町長は、町が資本金その他これに準ずるものを出資している法人に対し、この条例の趣旨に基づき当該法人が保有する情報を開示するよう、協力を要請するものとする。

(公文書検索資料の作成)

第20条 実施機関は、公文書を検索するために必要な目録を作成し、利用者の閲覧に供しなければならない。

(運用状況の公表)

第21条 町長は、毎年、実施機関に対し、この条例の運用状況について報告を求め、これを取りまとめて公表するものとする。

(情報公開の総合的推進)

第22条 実施機関は、この条例に定める公文書の開示のほか、情報の提供その他の情報公開に関する施策の充実を図り、情報公開の総合的な推進に努めるものとする。

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。

(適用区分)

2 この条例は、次の各号に掲げる公文書について適用する。

(1) この条例の施行の日以後に作成され、又は取得する公文書

(2) この条例の施行の日前に作成され、又は取得した公文書のうち、保存年限が永久保存であり、かつ、その目録が整備されたもの

(平成28年条例第2号)

(施行期日)

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの条例の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの条例の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては、なお従前の例による。

(平成30年条例第3号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和5年条例第1号)

(施行期日)

第1条 この条例は、令和5年4月1日から施行する。

井手町情報公開条例

平成14年9月27日 条例第19号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 長/第4節 情報の公開・保護等
沿革情報
平成14年9月27日 条例第19号
平成28年3月9日 条例第2号
平成30年3月8日 条例第3号
令和5年3月22日 条例第1号