○井手町議会基本条例

令和3年12月17日

条例第15号

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条・第3条)

第3章 町民と議会との関係(第4条・第5条)

第4章 議会と町長等との関係(第6条―第9条)

第5章 自由討議の活性化(第10条)

第6章 委員会の活動(第11条)

第7章 議会及び議会事務局の体制整備(第12条―第15条)

第8章 議員の政治倫理(第16条・第17条)

第9章 最高規範性と見直し手続(第18条・第19条)

附則

前文

地方議会は、地方分権の時代にあって二元代表制のもと、首長及び執行機関と緊張関係を維持しながら政策等の立案、決定及び執行について、監視機能及び立法機能を十分に発揮し、真の地方自治の実現をめざしている。

井手町議会(以下「議会」という。)は、井手町住民(以下「町民」という。)の代表機関であり、誰もが住みたい・住み続けたいまちづくりに向けて、その役割と責務を全うし、井手町の発展と町民の福祉向上を使命として、町民の負託を受け活動する。

議会は、憲法及び地方自治法を遵守して、公正性・透明性を確保することにより、町民に開かれた、信頼される議会を実現し、町民が安心して生活できる豊かなまちづくりをめざし、町民を代表する合議制の機関としての機能を最大限に発揮するため、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地方自治の運営主体としてふさわしい議会に必要な基本事項を定めることにより、議会の果たすべき役割と責任を明確にするとともに、町民に身近で信頼される議会を実現することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、町民を代表する議決機関であり、公平性・公正性・透明性及び信頼性を重視して、町民本位の立場から、執行機関の町政運営状況を監視・評価するものとする。

2 議会は、町民に開かれた議会をめざして情報公開に取り組むとともに、町民に対して議会の議決又は運営について、その経緯、理由等を説明する責務を有するものとする。

3 議会は、町民が議会を傍聴し、町政に参画する意欲が高まる議会運営に努めるものとする。

(議員の活動原則)

第3条 議員は、町民全体の奉仕者であることを常に自覚して活動しなければならない。

2 議員は、町政全般についての課題及び町民の意見、要望等を的確に把握するとともに、自己の能力を高める不断の研さんに努め、町民の代表としてふさわしい活動を行う。

3 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の責任ある自由な討議を尊重する。

4 議員は、町民全体の福祉の向上と、安心・安全に生活できるまちづくりのための取り組みを推進する。

5 議員は、本町地域において災害が発生した際は、行政と一体となり、円滑な支援活動が行われるよう協力しなければならない。

第3章 町民と議会との関係

(情報の公開)

第4条 議会は、本会議のほか、全ての会議を原則公開する。

2 議会は、会議録の公開に際し、町民等が可能な限り情報を得られるよう努める。

(町民と議会との関係)

第5条 議会は、町民及び諸団体との懇談会など意見交換の場を設け、政策立案の拡大に努めるものとする。

2 議会は、参考人制度及び公聴会制度を活用し、町民及び関係者等の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努める。

3 議会は、請願を町民からの政策提案と位置づけるとともに、その審議においては、これら提案者の意見を聴く機会を設けることができる。

第4章 議会と町長等との関係

(議員と町長等の関係)

第6条 議会審議において、議員と町長及び関係職員等(以下「町長等」という。)は、緊張関係の保持に努めなければならない。

(新規事業等の説明)

第7条 議会は、町長が新規事業及び既存事業の大幅な変更等を提案するときは、町長に対して次の各号に掲げる事項について説明を求めることができる。

(1) 事業費及び財源内訳

(2) 基本計画に定める施策との関連性

(3) 現況及び事業の必要性

(4) 緊急度及び効果

(5) 町民参加の有無及びその内容

(6) 他の自治体の類似する政策との比較検討

2 議会は、前項の新規事業等の審議に当たっては、立案及び執行における論点及び争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努める。

(予算及び決算における政策等の説明)

第8条 議会は、予算案及び決算の審議に当たっては、前条の規定に準じて、町長に対して分かりやすい説明を求めることができる。

(議決事件の拡大)

第9条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定に基づく議会の議決事件は、町の総合的かつ計画的な行政の運営を図るための基本構想及び基本計画とする。

2 議会は、町長等が策定する町行政の各分野における政策及び施策の基本的な方向を定める計画、指針その他これらに類するものについて、議会へ概要を報告するよう町長に求めることができる。

第5章 自由討議の活性化

(自由討議の保障)

第10条 議会は、議員による討論の場であることを認識し、議員相互間の責任ある自由な討議を中心とした運営に努める。

2 議会は、委員会等において、議案及び町民提案に関して審査し結論を出す場合、議員相互間において十分な自由討議を尽くして合意形成に努めるとともに、その結果について公表するなど、町民に対して説明責任を十分に果たさなければならない。

第6章 委員会の活動

(委員会の適切な運営)

第11条 委員会は、町民からの要請に応じ、審査の経過等を説明するとともに、議員、町民及び諸団体が自由に情報及び意見交換をする懇談会等を積極的に行うよう努める。

第7章 議会及び議会事務局の体制整備

(議員研修の充実強化)

第12条 議会は、政策形成及び立案能力の向上を図るため、議員研修の充実強化に努める。

(議会事務局の体制整備)

第13条 議長は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議会事務局の機能の充実に努める。

(議会図書室の充実)

第14条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、設置した議会図書室を適正に管理、運営するとともに、その充実に努める。

(議会広報の充実)

第15条 議会は、町政に係る情報を議会の視点から、常に町民に対して積極的に公表するとともに、周知するよう努める。

2 議会は、議案に対する議員の態度を議会広報で公表するなど、情報提供に努める。

3 議会は、情報技術の発達を踏まえ、多様な広報手段を活用することにより、多くの町民に議会が関心を持たれるよう広報活動に努める。

第8章 議員の政治倫理

(議員の政治倫理)

第16条 議員は、町民の負託に応えるため、高い倫理観が課せられていることを自覚するとともに、町民の代表者として良心と責任感を持って、議員の品位を保持し、識見を養うよう努めなければならない。

2 議員は、その地位を利用し、いかなる金品も授受してはならない。

3 議員は、補助金交付団体などの受益団体の代表者に、原則として就任しないよう努めるものとする。ただし、やむを得ない場合は、議会に報告するものとする。

4 議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれた場合は、その疑惑を解明し、責任を明らかにするようにしなければならない。

(議員定数及び議員報酬)

第17条 議員定数及び議員報酬は、別に条例で定める。

2 議員定数及び議員報酬の改正に当たっては、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等に関して、広く町民の意見等を参考にするものとする。

第9章 最高規範性と見直し手続

(最高規範性)

第18条 この条例は、議会における最高規範であって、議会は、この条例の趣旨に反する議会に関係する条例、規則等(以下「議会関係条例等」という。)を制定してはならない。

2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例に関する研修を行わなければならない。

(見直し手続)

第19条 議会は、必要に応じて、この条例の目的が達成されているかどうかを検証する。

2 議会は、前項の検証の結果、議会関係条例等の改正が必要と認められる場合は、適切な措置を講じる。

この条例は、公布の日から施行する。

井手町議会基本条例

令和3年12月17日 条例第15号

(令和3年12月17日施行)